マルチメディア推進フォーラム PART940【オンライン限定】
「循環経済の現状・展望とICT活用の最前線」
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開催日 | 2024年2月28日(水) 13時00分~17時00分 |
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場所 | オンライン限定 |
受講料 | 52,370円 (消費税込) |
趣旨・論点
●循環経済の現状と展望●循環経済の課題
●ICT活用の重要性・重点課題
循環経済の現状:
大量生産・大量消費・大量廃棄といった一方向の資源の流れを前提とした線形経済に対し、従来の3R(Reduce, Reuse, Recycle)の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、資源を有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す循環経済を志向したモデルへの移行が活発化している。経済産業省でも「循環経済ビジョン2020」を策定し、資源の枯渇や環境負荷(ごみ問題や温室効果ガス問題など)を軽減し、経済の持続可能性をさらに高めることを推進している。一方、グローバルでの動向に目を向けると、線形経済モデルの限界、市場・社会からの環境配慮要請の高まりを背景に、EUでも、2015年に「サーキュラーエコノミーパッケージ」を採択し、循環経済を主導している。サーキュラーエコノミーパッケージでは、リサイクルと再利用を通じ製品のライフサイクルのループを閉じること、つまり、原材料・製品・廃棄物から最大の価値を引き出すことによって、省エネと温室効果ガスの削減を目指しています。このように、循環経済への転換は、ごみ問題、環境問題や資源枯渇問題にも密接に関係するとともに、温室効果ガス排出削減にも大きく貢献する。
循環経済の課題:
しかし、循環経済の普及は、道半ばであり、課題も存在する。実際、駐日EU代表部のネヴァナ・マテエヴァ氏は「現在、世界全体で循環できているものは9%、廃棄物の量は2050年までに70%増加するといった推計もある」と話す。資源の有効活用、廃棄物の適切な処理、リサイクルに関わる社会の仕組みや、それを支える技術、インフラなどが不足しており、資源の適切な循環の障壁になっている。また、特定の資源需要が供給を上回る場合、価格の上昇や生産プロセスそのものの中断が起こる可能性もある。このため、資源の利用・再利用や需給バランスの管理の効率化、低コスト化、新たな循環の仕組みの構築が重要となる。資源の利用・再利用や廃棄物管理が効率化、低コスト化できれば、資源循環を加速できる)。新たな循環の仕組みの構築により、リファービッシュ(整備、再生)やシェアリングが既存の業界(自動車など)から他の業界(繊維など)への導入も促進され、プラスチックの分別・回収おいても、ペットボトルの回収にとどまらず、他のプラスチック(食品容器包装、生活雑貨容器など)にも対象を拡大することができる。
CT活用の重要性・重点課題:
循環経済を進める上で重要となる効率化、低コスト化、新たな循環の仕組みの構築のためには、情報通信技術の活用が期待されている。センサーやデータ解析技術を利用して、資源の効率的な利用や廃棄物の管理が行われている。産業間の資源に関連する情報を連携、利活用することで、資源の使用状況やリサイクルの進捗状況をリアルタイムに把握することで、より正確な需要予測や最適配置が可能となる。IoTやAI技術の進化で、産業間を跨るサプライチェーン全体におけるデジタル化やプラットフォーム化が重要となる。例えば、製品の生産段階から素材の耐久性・修復性、循環性、易分解性の設計、消費者コミュニケーションにより、分別、洗浄などを訴求する行動変容、資源の回収・分別情報の一元的/リアルタイム把握と回収ルート・タイミングの最適化、再生資源の品質に関するデジタル化と需給マッチングのためのデータプラットフォームの開発、リサイクルが担保できるトレーサブルなデジタル基盤の構築と回収資源の自動識別などが重点的な技術課題となる。
趣旨:
本フォーラムでは、循環経済の現状と課題について共有するとともに、特に、ICT活用の重要性の観点から、プロセスの効率化への課題や、デジタルの遅れによる情報連携、利活用の拡大に関する課題にどのように対策し、どういったマイルストーンで検討が進められているか、その最前線で研究開発に取り組んでおられる第一線の方々にその動向を概説していただくとともに、今後の循環経済に関わる技術の進展を踏まえ、取り組み事例などをご紹介いただく。
(座長-総合司会)
東京大学 名誉教授 齊 藤 忠 夫
スケジュール
各講演最後に質疑応答を設けてあります。
- (基調講演)「循環経済を取り巻く環境とICT活用への期待」
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- 東京大学 名誉教授
齊 藤 忠 夫 氏
- 東京大学 名誉教授
- 「循環経済の課題とICTによる解決の方向性や概要①」
- ●プラごみ To C
- 京都経済短期大学
教授
(神戸大学特命講師)
小 島 理 沙 氏
- 京都経済短期大学
- 「循環経済の課題とICTによる解決の方向性や概要②」
- ●製品リマニュファクチャリング(再製造)
- 産業技術総合研究所
製造技術研究部門
副研究部門長
松 本 光 崇 氏
- 産業技術総合研究所
(休憩)
- 「成長志向型の資源自律経済戦略の今後のアクションについて」
- 経済産業省
資源循環経済課
課長
田 中 将 吾 氏
- 「具体的な取り組み事例の紹介①」
- ●プラスチックリサイクル事業、産業廃棄物処理事業
- ヴェオリアジャパン
サーキュラーエコノミー事業開発本部
宮 川 英 樹 氏
- ヴェオリアジャパン
- 「循環型社会の形成に向けたKDDI総合研究所の取り組み」
- ●携帯リサイクル
●KDDI Green Partner’s fund、
●スマートゴミ箱の取り組みの紹介
- KDDI総合研究所
KDDI research atelier
フロンティア研究室 室長
杉 山 浩 平 氏
- KDDI総合研究所